日本スキー教程 10年ぶりに全面改訂したというので買ってみた。

買ってしまいました、日本スキー教程
学生時代に、愛読書は?と聞かれると、
「日本スキー教程」と「国鉄 時刻表」と答えていました。
(内容は、すっかり忘れてしまっていますが。)

日本スキー教程を買った理由

今回10年ぶりに全面改定し、(株)芸文社から2024年10月に発刊されました。

3,300円(税込)

最初のページ(Introduction)の冒頭には、

これから展開する指導プログラムは、現場で行う具体的な指導法そのものを示すものではなく、その核となる指導の”道筋”を明らかにすることを目的としたものです。

引用:日本スキー教程」公益財団法人全日本スキー連盟

と書かれております。

これは、スキー指導者向けに指導の道筋をまとめた教科書のような本です。
私のような一般週末スキーヤーが読む本では、ありません。

しかし、これが読んでみると、意外と面白いのです。
(読むというより、辞典のように調べる感じ?)

スキーの楽しみ方は、いろいろあります。
競技スキーでタイムを競ったり、バックカントリーで新雪と戯れたりと。

その中で、一般スキーヤーは、おそらく「きれいに滑りたい」、こんなところが身近な目標かと思います。スキー場の近くで生まれ育ち、小さい頃からスキーをしてきた人たちは、気が付いたら速くきれいに滑れていたことでしょう。小難しい基礎スキーの技術は、後から学ぶことで、そのスキー技術をさらに高めてきたのだと思います。

一方、私たちのような一般スキーヤは、スキーに出会い、魅せられ、週末になると数時間かけてゲレンデに行く。しかも、毎週というわけにはいかない。私の場合でも、せいぜい年間10日くらい。

その短い時間で効率よく上手くなろうとすれば、基礎スキー技術を理解することは、きっと役に立つと思います。

昔と違い、インターネットでスキー技術に関する動画やブログがたくさん出ています。そういった情報と、日本スキー教程を見比べてみるのも意外な発見があるかもしれません。

そしてそれをゲレンデで確かめる。

こういった過程がまた、楽しいのです。

3部構成

Part1 スキー指導の展開

この本は、Part1~3までの3部構成になっています。
その中で中心なのは、このPart1。
もっとも多くのページが割かれています。

・プルークボーゲンへの指導の展開
・ベーシックパラレルターンへの指導の展開
・ダイナミックパラレルターンへの指導の展開

以上3つの構成で、初めてスキーを履く人に対する指導方法から、ハイレベルなターンまで、その「動作要領」と「指導の要点」について、分解写真とともに書かれています。

まだ、流し読み程度しかできていませんが、参考になりそうな個所がたくさんありそうです。

Part2 スキー指導と安全

スキー指導者向けの本なので、安全対策は重要です。
例えばスキー学校から見れば、一番最悪なのは、講習中にけが人がでること。講習中の受講者だけでなく、講習中に他のスキー客との衝突でけが人が出てしまうことも考えられます。
スキー自体、危険を伴うスポーツです。
一番大切なのは、スキーを楽しみに来た人たちが、スキー場で1日を無事に楽しく過ごせること。
そのために、子供に対してや、スキーレベルに応じた指導方法や注意点が記載されています。

Part3 スキーの歴史と用語解説

スキーの歴史についての記載があるのは、SAJの教程本でなくては、なかなかお目にかかれない内容なので、良いかと思います。

それと、用語解説。
これ4ページしかありませんが、早速役に立ちました。
スキー動作を表現する言い方は、独特なものがあります。

たとえば、外反背屈

この用語解説で、初めて知りました。

外反 スキー操作に必要な足関節の動き①

外反」という足関節の動き。

私のような成人してから本格的にスキーを始めた一般スキーヤーにとっては、ここの意識が最も大事だと思っています。

「内側の踝を内側に捻るような感じで板を踏む」 

実は、学生時代に教わったスキー指導者からは、そう教わっていたのですが、
この動作をどう表現しているかを確認してみたいと思っていました。

それが、この日本スキー教程の中に、書いてありました!!

外反(がいはん)と呼ぶようです。

【足関節の外反】
ankle eversion(英)
足関節を内側に傾ける動き。足の外側が雪面から離れ、内側が雪面に近づく。


引用:「日本スキー教程」公益財団法人全日本スキー連盟

これ大事です。

エッジングの強弱をコントロールするには、これを意識する必要があります。

今後は、外反という言葉を使うようにしていきたいと思います。

背屈 スキー操作に必要な足関節の動き②

もうひとつ見つけてしましました。

これも気になっていた表現。

足首の前傾角を維持する為に、前脛骨筋を緊張させる必要がありますが、

この動きは、

背屈(はいくつ)

【足関節の背屈】
ankle dorsiflexion(英)
足の甲を脛の方向に引き上げる動き

引用:「日本スキー教程」公益財団法人全日本スキー連盟

これこれ。

脛をブーツに押し付ける感じなのですが、これで前傾角が維持できます。

実際には、足は硬いスキー靴の中なので、このようには動きませんが、力の入れ方はこんな感じですね。

ターンの中で、ポジションを維持するには、この動作を同時にやっていく必要があります。

シーズン初め、前脛骨筋が痛くなるのですが、普段歩くときよりも、この筋肉は使っているのだと思います。

なんだか、すっきりしました。

今後は、私もこの表現を使っていきたいと思います。

外反も背屈も、下記に詳しく書いてみました。

ゲレンデでのウオーミングアップ 外反と背屈の確認

カービングターンについて


もう一つ発見がありました。

カービングターンは、カーブ(曲がる)するターン(回転)と思っていませんでしたか?

それ、私だけ?

【カービング】
carving(英)
スキーで雪面を強くとらえて、スピードと進行方向を制御すること。「速度を推進する」機能だけでなく、「速度を制御する」機能もある。スキーのカービング性能に大きく影響される。もともとの意味は雪面を彫り込むこと。

引用:「日本スキー教程」公益財団法人全日本スキー連盟

雪面を彫り込むこと?

carve・・・彫刻する

curve・・・曲げる

ほんとだ。

 

雪面を掘るようにエッジを食い込ませてターンするのが、カービングターンなのですね。

勉強になりました。
誰かに、教えてあげよっと。
(知らなかったの、私くらいかも?)

 

他にも読んでいると、いろいろ発見や、疑問がでてきます。

例えば、エッジングについて。
ターン時の足関節の使い方で、内脚の外エッジも内反するような記載を発見。

内脚に乗るのか?

昔の長いスキー板を振り回していた若い頃、内脚の外エッジは、次のターンに入る前のリード役みたいな感じで、内スキーをしならせる感覚は、まったくありませんでした。
むしろ、内脚に乗るのは、悪いことと考えていたのだが・・・。

今後、調べて試してみたいと思います。
楽しみが増えました。